妊娠・出産を機に働き方を見直す女性は多い。働く母親を巡る職場の現状とは。
アエラが小学生以下の子どもをもつワーキングマザー213人に調査をしたところ、妊娠や出産をきっかけにキャリアチェンジした人は、4人に1人だった。マイナスな理由が多い。
「妊娠8カ月のとき、当時勤務していた会社に、正社員から契約雇用に切り替えると言われ、不当な扱いと思って退社した」(36歳・フルタイム正社員)
「残業が多いので、子育てしながら働くのは無理だと思った」(30歳・フルタイム正社員)
「保育園に入れなかったために、約10年勤務した会社を退職」(41歳・フリーランス)
ワーママを巡る会社の制度や配慮、社会的インフラがまだまだ整っていない現状があった。
一方で、職場の「過剰な」配慮が、働きにくさにつながることもある。フルタイムで働く30代の女性は言う。
「妊娠、出産後に仕事量を減らされて、やりがいが感じられなくなり、キャリアアップのために転職しました」
子育て中の女性は転職が難しいと思われがちだが、管理職を目指す女性向けの会員制転職サイト「ビズリーチ・ウーマン」を担当する、ビズリーチのダイバーシティ採用支援室長、加瀬澤良年さんによれば、現在の転職市場では、子どもがいることはハンディにはならないという。
「実力が求められているからです。以前は、制度が整っていて男女ともに活躍できる外資系企業に転職するケースが多かったけれど、最近は国内大手企業からベンチャーに移るケースも増えています。制度がなくロールモデルもいないけれど、そのぶん自由度が高く裁量が大きいため、自分が使いやすい制度をつくったり必要に応じて在宅勤務を取り入れたりもできます」
※AERA 2014年10月6日号より抜粋