人生も後半になるまで生きてくると、誰でもいくつか不思議な体験をするのではないでしょうか。私にもそういう経験があります。
一つは1994年8月に米国アリゾナ砂漠のホピ族を訪ねたときのことです。長老に招待されて「ホピの予言」を見せてもらいに行ったのです。予言は小さな谷に置かれた岩に刻まれていました。それを写真に撮ろうとしたのですが、シャッターがおりません。同行した人のカメラを借りてみたのですが、やはりおりないのです。その場を離れた後は、普通に撮影できました。
もう一つの不思議は96年2月、英国にスピリチュアル・ヒーリングの研修に行ったときのことです。キャンバリーという街の古めかしい館に3日間、滞在しました。
そこで、やさしい眼差しの人物が私の目の前を通り会釈しました。その人物は毎日、私に会釈してくれるのです。そのまま帰国し、本屋で人智学の本を開いたら、その人物の写真がありました。それは、故ルドルフ・シュタイナーの写真だったのです。
私はそういう不思議を何かの間違いだろうと、頭から否定することはしません。あってもおかしくないと思うようにしているのです。わからないこと、不思議なことを受け入れると、世界が広がります。是非あなたも、もっと世界を広げてみてください。
※週刊朝日 2019年12月27日号