慶應義塾大では言語の運用能力や数理的な論理力などを入試で測ることを重視。日本で初めてAO入試を導入したのも慶應義塾大だ。現在、進められている入試改革を先取りしてきたとも言われる。

 こうした違いを踏まえて、受験生が気になるのは、総じてどちらが受かるのが難しいのか。東進ハイスクールのデータによると、早慶を受験してどちらかだけに合格した人のうち、早稲田大だけに合格したのが42%、慶應義塾大のみに合格したのが58%だった。この数字から推し量るに、市村広報部長は「早稲田大のほうが志願者が多く、競争倍率も高い。合格しにくいというのが実態」と見る。

 次は、MARCHの専願率を分析しよう。全体的に専願率が低く、MARCH内で併願が多いことがわかる。それでも専願率が高かったのは明治大で14.2%。市村広報部長は「早慶の次は明治大と考える受験生が多い」と見る。

 早慶や国公立大など上位大学志願者の併願先にもなっている。明治大専願者の早慶併願の比率は45.5%とMARCH内で最も高かった。また、センター利用入試の枠が多く、6科目や7科目の点数を利用できる。入学手続きの締め切り日が国公立大の前期合格発表の最終日以降になっている入試もあり、“受験生ファースト”の入試制度とも言われる。明治大の入学センターの事務部長はこう語る。

東大や早慶との併願の状況を見ると、MARCH内では本学が特に選ばれるようになっている。(格上と言われてきた)上智大とも同じような併願状況になってきた。特に、東大との併願では本学のほうが多い状況です」

 こうした状況を踏まえて、新しい難関私大グループとして上智大(英名:Sophia University)、明治大、青山学院大立教大、東京理科大の頭文字をとったSMARTが塾や高校などで定着し始めている。

「受験生の選択の実態から見れば、MARCHというくくりは崩れてきて、SMARTに移行してきていると見ています」(入学センター事務部長)

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