明治大と並び人気とされる青山学院大と立教大の専願率は、それぞれ5%と4.6%にとどまった。ともにキリスト教系の大学で、昔から女子の人気も高い。両大学を併願する受験生も多いと見られ、専願率も低かった。
明治大に続いて、専願率が高かったのは法政大だ。新しい大学グループSMARTには入っていないが、前出の市村広報部長は「日東駒専志願者の挑戦校として選ばれている」と見る。法政大専願者の日東駒専の併願比率を見ると58.6%で、他のMARCH内の大学と比べて高い。
ただ、決して難易度が低いわけではなく、「手が届きそう」という理由だけで選ばれているのではない。改革にも積極的に取り組んでおり、グローバル教養学部やスポーツ健康学部など特色ある学部を新設。14年に田中優子総長が就任して以来、イメージを刷新し、女子学生からの人気も上昇。本誌が毎年調査している実志願者ランキングでも全国1位になるなど注目が集まっている。
法政大の入学センター長は「第1志望で入ってくる学生が多くなっている。選ばれる大学としていかに特色を出していくかが重要になっている」という。
中央大も専願率は低い。この25年ほど学部の新設がないなど改革が遅れ、キャンパスが東京でも郊外にあることから、立地という点でも受験生の人気を落とした側面はある。ただ、そこから挽回の兆しはすでに見えており、今年、国際情報学部と国際経営学部を新設。特に国際情報学部は今注目される「国際」と「情報」を学べるだけでなく、キャンパスも市ケ谷田町(新宿区)で都心にあることもポイントだ。また、23年度には看板学部の法学部が都心に移転する予定で、今後、専願率が高まりそうだ。
「日東駒専」で、専願率が一番高かったのは日本大で28.9%だった。昨年の危険タックル問題の影響で、今年の入試の志願者は約1万4千人も減らしたが、前出の市村広報部長は「やはり日大のブランド力は高い」と見る。