日本大は16学部87学科を擁するマンモス大学だ。学生数は7万人を超え、日本で最も多い。OB・OGの数は100万人を超えていると言われ、就職にも強い。日本全国に付属校があり、知名度が全国的に高い。日東駒専の中でも頭一つ抜けた存在として君臨している。
これに追いつこうとしているのが東洋大で、専願率は22.8%だった。東洋大は、日東駒専で唯一、文部科学省から国際化を徹底して進める「スーパーグローバル大学」に指定されている。国際系の学部でなくても、英会話講座や奨学金制度など留学を支援するプログラムが多数用意されている。
また、特色ある学部・学科も受験生をひきつけている。東洋大には国際観光学部や情報連携学部など他大にはないような学部があるが、哲学科は同大を代表する学科だ。東洋大の創設者は明治期の哲学者・井上円了で、「東洋で哲学を学びたい」という声は少なくない。
「大学の選択の仕方が変わり、学ぶ内容を重視するようになっている。早稲田大の指定校推薦を蹴って、本学の哲学科を選んだという学生もいるほどです」(加藤建二入試部長)
このグループで、専願率が低かったのは専修大と駒澤大だ。両大学ともブランド力の日本大と改革力の東洋大に差をつけられ、日東駒専の中では埋没している感が否めない。(本誌・吉崎洋夫)
※週刊朝日 2019年12月20日号より抜粋