東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
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埼玉西武ライオンズの金子侑司選手=球団提供 (c)朝日新聞社
埼玉西武ライオンズの金子侑司選手=球団提供 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、古巣・西武の金子侑選手に期待を寄せる。

【写真】埼玉西武ライオンズの金子侑司選手

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 プロ野球は11月26日にNPBアワーズが開かれ、今年の一つの節目というか、終わりを告げることになった。古巣の西武からベストナインが5人か。MVPも獲得した森友哉が首位打者、ベストナインとなった山川穂高が本塁打王、中村剛也が打点王、秋山翔吾が最多安打で、金子侑司が盗塁王。リーグ2連覇達成へ、それだけインパクトを個々が残した結果と言える。

 辻発彦監督は、FAでメジャー移籍を目指す秋山の抜けるであろう中堅手に金子侑の起用を明言した。金子が来季、リーグ3連覇を成し遂げる上でキーマンとなるのは間違いない。今週は「ネコ」特集。西武の「カネコ」に注目したい。

 まず、秋山の代わりには誰もなれないし、穴は金子だけで埋めようはない。だから、金子には秋山と同じことをするのではなく、各部門で自分のキャリアハイを目指す意識でいてほしい。特に秋山を上回る武器は「足」だ。今季は41盗塁だったが、2016年に53盗塁を記録しているのだから、それを超えることだ。

 打順も1番や2番に入ることが増えるだろう。打率で秋山を抜くことが難しいのであれば、出塁率にこだわってほしい。どんな形でもいいから出塁できれば、足が生きる。そして、故障へのケアだな。秋山のすごいところは故障に強く、試合に出続けたこと。金子も143試合出るために、グラウンド外からコンディショニングに気をつけてもらいたい。彼が本当の意味で主力となれるかどうか、勝負の1年になると思う。

 FA権を行使した選手の国内移籍先も固まった。ロッテソフトバンクからFAの福田秀平に加えて、楽天からFAとなった美馬学も獲得した。ここに安田尚憲、藤原恭大といった若い才能が一気に伸びてくれば、ここ2、3年はソフトバンクと西武の2強の図式となっていたペナントレースに風を巻き起こすことができる。

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