西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、西武がソフトバンクを猛追できた要因を分析する。
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レギュラーシーズンも終わり、クライマックスシリーズ(CS)に進出できず、Bクラスに沈んだチームは早くもチーム改革に乗り出している。早く始動できるメリットを来季につなげてもらいたい。監督もヤクルトでは小川淳司監督に代わって、高津臣吾新監督が誕生、そしてリーグ4連覇を逃した広島は緒方孝市監督が退任を表明した。
緒方監督の退任は少し驚いた。2015年に就任し、16~18年にはリーグ3連覇を達成。今季、4連覇、そしてCS進出を逃したといっても、わずか1年で退くとは……。おそらく、相当な心労も重なっていたのだろう。現場のあらゆる決断を強いられる監督。本人にしかわからない苦労がある。
今の野球はいろいろなトレーニング理論があり、毎年のように革新的な考えが導入される。戦術もそう。データも細分化され、選手の気質もより繊細となり、一元的な管理野球では、選手の能力を最大化することは難しくなっている。
しかも、FAやポスティングシステムなどの移籍システムがあり、さらに、出場機会に恵まれない選手を救済する制度「現役ドラフト」も来年以降の実施に向けて日本野球機構と選手会で話し合われている最中である。同じ主力で3年も、4年もといったことがない。毎年、「育成しながら勝つ」といったことが求められるようになった。
そのために監督も一日一日、変化や柔軟な発想が求められる。同じ野球をやっていては、5年もすれば古い野球となってしまうから、大変である。自分の野球観を時には変化させることも必要だ。
日本ハムは栗山英樹監督の続投が決まった。就任9年目に入るという。ただ、栗山監督はいつも新しいチャレンジをしている。3回目の監督就任となり、チームをリーグ優勝に導いた巨人の原辰徳監督もそうだ。長くチームを率いるには、変化を恐れてはいけない。