同じことは各担当コーチにも求められる。打撃コーチは、細かく数値化されたデータをいかにかみくだき、選手に伝えるか。投手コーチは投手のボールの回転数などの微妙な変化から、異変を感じ取る必要だってある。現場を長く離れていた者が、いきなり監督やコーチになって難しい部分だ。12球団の中で、2軍監督から1軍監督へとステップするやり方が増えているのは、日々進化する野球界に対応するためともいえる。
これからCS、日本シリーズといった短期決戦に突入していく。今年は、まったく読めない戦いとなりそうだ。セ・リーグ3位の阪神はがけっぷちから連勝を重ねてCS進出を決めたから、失うものは何もない。勝利が絶対条件となった終盤の投手継投などは、CSでも生かされるだろう。対するDeNAは大黒柱の今永が、シーズン終盤に広島、阪神に2試合続けて打ち込まれた。どれだけフレッシュな状態に戻っているかだ。
パ・リーグのファーストステージで対戦するソフトバンクと楽天も、ロースコアの接戦が期待できる。救援陣は駒がそろっており、先発が試合を作れるかどうかだろう。CSファイナルから登場する巨人はエース菅野智之の回復が気がかり。西武も自慢の打撃陣が、短期決戦ならではの相手バッテリーの攻め方に対応できるかどうか。面白い10月の戦いとなる。
※週刊朝日 2019年10月18日号