

劇的な展開となった「全英オープン」。大会解説を務め、現地に足を運んだ丸山茂樹氏が振り返る。
【写真】絵に描いたような優勝をなしとげシェーン・ローリー選手はこちら
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男子の今シーズンメジャー最終戦「全英オープン」(7月18~21日、英領北アイルランド・ロイヤルポートラッシュGC)にテレビ解説のお仕事で行って参りました。まるで台本があるんじゃないかというような展開でした!
北アイルランドではかつて紛争が続いてたこともあり、全英オープンが開催されるのは68年ぶりでした。そこで陸続きのアイルランド出身であるシェーン・ローリー(32)がメジャー初優勝をなしとげるんですから。かつてこれほどきれいなドラマを描いた全英オープンはなかったんじゃないかと思いますね。
そもそも21万5千枚の前売り券が完売でしたから。68年ぶりに全英オープンがやってくるという興奮と、タイガー・ウッズ(43)がメジャーで復活優勝してから初めて全英に戻ってくるということで、完売したと。なかなかのイベントですよね。ざっと毎日5万人もの人がゴルフ場に足を踏み入れてるわけですよ。入れない人もいて。それぐらいの盛り上がりの中での試合でした。全英オープンには1996年から来てますけど、こんなに興奮するギャラリーを見るのは初めてでした。
理想中の理想としては北アイルランド出身の選手が優勝すればよかったんでしょうけど、彼らがダメでもアイルランドの選手が勝つっていうね。
最終日の18番ホールにいると、青木功さん(76)たちの声がぜんぜん聞こえなかったですもん。大ギャラリーで。全英は普段から盛り上がってますけど、今回は特別でした。練習ラウンドからスタンドが満杯でしたから。そういうのってなかなかないんです。相当、沸騰しあがってましたね。ハハハ。たぶんこれから、10年に1回ぐらいは北アイルランドでやるんじゃないですか?
ローリーのゴルフに関してはこれまで、失礼な話ですけど、そこまで際立ってすごいなと思うようなところはなかったんです。ところどころで印象に残る選手ではあったんですけど、ビッグタイトルまでは手が届かないんじゃないかと、ちょっと思ってたんですね。