──今シーズンはどうされるご予定ですか。
去年のように簡単にはいかない。いや、簡単でもなかったんですけど(笑)。でもやれるところまではやろうと思っています。結果を出さないと世界選手権も出られないですし、ミニマムポイント(最低基準点)もとっておいたほうがいいんじゃないかとか……いろいろ考えてはいます。
──グランプリシリーズには、出場されるんですか?
カムバック枠もあると情報は頂きました。
──特別強化選手にも復帰しました。
本当にありがたいことなんですけど、恥をさらしたくないと思う自分もいたり。自信がもてなくて。
──後輩について、お話を聞かせてください。宇野昌磨選手が、高橋さんに憧れていることは有名です。
引退前の最後の全日本が一緒だったのかな? 宇野昌磨の名前が出始めてから、僕は引退したので。当時から、すごい世代だなって思っていました。僕は正直、羽生君も含めて、自分とは違うまったく別次元の選手として見ていたので。
──別次元?
ファンの方と同じように応援しているというか、同じ選手というより別のものというか、一緒に戦っていたのにそういったらおかしいか。でも、ある意味一ファン、一応援者の眼で見ています。「頑張れ!」と、ユヅもそうだし、ショーマや刑事も。一度引退してから、ライバル視というか、そういうものはまったくなくなりました。そもそも僕だけが昭和生まれだったんですけど、平成(生まれ)の子たちに対しては、みんなそう。一緒に戦っているけど、一緒じゃないんですよね。仰ぎ見るというか、「すげーなー」という尊敬の対象です。
──高橋さんに「尊敬の対象」と言われると恐縮するんじゃないでしょうか。
いや、彼らの演技を見て、感心しています。現役時代は人の演技はあまり見なかったんです。でも引退してからテレビの仕事で、間近で見るようになって、人のスケートをこんなに見るのは、ほぼ初めてでした(笑)。感動しました。自分が演技するのと見るのとでは、やっぱり別物ですね。「みんな頑張れ、オレも頑張るよ」みたいな(笑)。