スケーターと俳優たちがコラボすることで話題のアイスショー「氷艶」に光源氏役で主演する高橋大輔さん(33)。新しい挑戦を前に、昨年復帰した競技への思い、羽生結弦(24)や宇野昌磨(21)ら、後輩選手に対する率直な気持ちなどを語った。
──昨シーズンに競技に復帰しました。復帰されていかがでしたか?
よかったです。自分は、練習を積み上げていって、それをどこかで披露するという作業が好きなんだと、改めて感じました。もちろん昔に比べてできてないこともあったんですが、この年齢でも成長できる部分を見つけることができました。その成長を見つけることの喜びや、できないことができるようになった喜び、そんな日常のトレーニングの中での発見をとても新鮮に感じています。
──競技を引退する前と今とでは、何が違いますか。
身体的なことは、やはりありますね。アイスショーには出ていましたが、現役時代のように練習を継続してやれてはいなかったので。復帰しようと決めてから毎日練習するなかで、綻(ほころ)びがどんどん出てきました。それを急に取り戻そうとしても、うまくいかなかった。体に(悪く)出たときもありました。頭には、現役の頃のイメージがあるので、もうちょっといけるだろうと思っていた部分もあって。
──その差を埋めるのが難しかった?
ただ、今までだったら「この練習量で試合じゃ不安で仕方ない」ということもあったけど、今は「実際、できなかったから」と1回諦めた後に、「じゃあ次はできる範囲でどう改善していこうか」と、落ち着いて考えられるようになりました。
──焦らなかった?
自分の中で期限を決めてなかったので、焦ることはありませんでした。前回引退したときは、(世界選手権や五輪の代表選考会など)いつもリミットがありました。そこまでにどうパフォーマンスを上げるかをいつも考えて、同時に自分のレベルが落ちるのではという恐怖もありました。今回は、落ち着いてました。久しぶりです。こういう感覚は。