棚橋弘至(たなはし・ひろし)/1976年、岐阜県出身。99年に新日本プロレスに入門。確かな技術とスター性で団体のエースとして活躍。2009、11、14、18年にプロレス大賞のMVPを受賞。近年は、高学歴レスラーとしてバラエティー番組に出演するほか、映画「パパはわるものチャンピオン」(18年)で主演も務める。近著に『カウント2.9から立ち上がれ 逆境からの「復活力」』。 (撮影/写真部・片山菜緒子)
棚橋弘至(たなはし・ひろし)/1976年、岐阜県出身。99年に新日本プロレスに入門。確かな技術とスター性で団体のエースとして活躍。2009、11、14、18年にプロレス大賞のMVPを受賞。近年は、高学歴レスラーとしてバラエティー番組に出演するほか、映画「パパはわるものチャンピオン」(18年)で主演も務める。近著に『カウント2.9から立ち上がれ 逆境からの「復活力」』。 (撮影/写真部・片山菜緒子)
棚橋弘至さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・片山菜緒子)
棚橋弘至さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・片山菜緒子)

 多くの「プ女子」ことプロレス女子を生み出した、プロレスブーム再燃の立役者、棚橋弘至さん。今ではドラマやバラエティー番組に出演するなど、プロレス界の内外で新境地を開拓する棚橋さんに、作家・林真理子さんが迫ります。

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林:この対談を読んで「見に行こうかな」と思う方もいると思うので、プロレスの見方というか、初心者はこういうところを見てほしいというのを教えていただけませんか。

棚橋:まずは僕を見てほしいですね(笑)。僕、プロレスを見たことがない方にいつも言うんですけど、「手ぶらで来てください」って。

林:先入観なしに手ぶらで。

棚橋:はい。選手の名前も技も知らなくていい。大きい選手同士がぶつかり合うというのは非日常的で、ふだんはあり得ないことなので、ただ楽しんでいただきたい。でも、必ず“推し”の選手が見つかります。最初は棚橋推しでもいいんですが、たとえば今チャンピオンのオカダ・カズチカなんか、身長191センチあって端正な顔つきなので、そういう“推し”が見つかると、応援にも熱が入るし見るのが楽しくなります。手ぶらで来てもらって、いくつかお土産を持って帰ってもらう。そうすると復習したくなるので。

林:また見に行きたくなるんですね。でも、そういう“推し”の選手が苦痛に満ちた顔をしたり血を流したりすると、ファンの人、もう見たくないって思うんじゃないですか。

棚橋:でも、やられても立ち上がっていく、負けても次は頑張るというのがプロレスのいちばんの魅力で、自分が応援してる選手が頑張る姿とか、苦しいけど頑張っているところにエネルギーを感じてもらいたいですね。僕、よく言うんですけど、プロレス会場はパワースポットなんです。プロレス観戦で感じたエネルギーを日常生活に持って帰って、生活を充実させてほしいという気持ちがあります。

林:棚橋さん、東京スポーツの「プロレス大賞」をもらったんですよね。

棚橋:はい。2018年にMVPをいただきました。

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