交流戦は同一リーグの対戦がない分、たとえ勝率5割で乗り切っても、同一リーグの他5球団が大きく勝ち越せば差が開いてしまう。一人勝ち、一人負けが生まれやすい。そして交流戦で勝率の高かったチームはシーズンでも上位に食い込む傾向が強い。昨年もヤクルトが交流戦で最高勝率チームとなって浮上し、最終的にシーズン2位だった。気付いたら大きな差となるので難しい。
5年ぶりに優勝方式が適用され、賞金は1位総取りになったという。そして昨年までは勝ち越したリーグにドラフト会議での2位指名以下の優先権が与えられたが、今年はなくなった。リーグ対抗の要素がなくなったわけだが、個人的には、目に見えたリーグ対抗の形にしなくても、選手は十分に意識している。そしてレギュラーシーズンの1試合の位置づけは変わらないのだから、対抗の形にする必要はないと考える。
交流戦は、ホームとビジターを隔年の形にして、3連戦のみの対戦だ。レギュラーシーズンと違い、先を考える必要はない。「次の一手」を考えていては、投打に後手に回る。そういった戦いはレギュラーシーズンへのヒントにもなる。選手は各プレーの中で、何かを発見してもらいたい。
※週刊朝日 2019年6月21日号