ネコのペンおき6
ネコのペンおき6 クオリア/全6種、300円 (C)Qualia 撮影/上田泰世
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カプセルトイにもブームが到来中だ。愛くるしい姿に、つい回してしまうという人も多いはず。あのガチャこのガチャの誕生秘話、取材しました! 好評発売中の「NyAERA(ニャエラ) 2023」から。

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 天を突くように掲げた両手、キュッとひねった腰つき。その猫たちのかわいらしさも相まって、魅了される人が続出した。 

 2020年5月発売の「ネコのペンおき」は、現在までに累計250万個の大ヒットを記録したガチャ商品だ。

 カプセルトイ、通称ガチャガチャ。いまやその市場規模は年間450億円超といわれる。駅にショッピングモールに、ガチャスポットはそこかしこにある。そしてNyAERA読者の皆さまはきっとお気づきだろう、猫の商品が多いのだ。人気を牽引したのは、言わずもがな、「ネコのペンおき」だろう。

■「犬じゃなく猫」な理由

「テレビで『サザエさん』を見ていて、あのタマの腰の動きがかわいいな、と思ったんです」

 開発のヒントを話すのは、クオリア代表取締役・小川勇矢さん(34)。

 幼少期からサッカー一筋だった小川さんがこだわったのは、筋肉の動きや躍動感あるフォルム。そこに人類が最も美しいと感じる「黄金比」が隠されていることが、過去のAERAの取材で明らかになっている。シリーズごとに細かな調整を加え、猫種を増やしてきた。第6弾のスフィンクスは腰の部分の“皮”が細かい! 

 実は小川さんは犬派だ。猫人気を冷静に分析する。

「犬は犬種によって造形を変えなければいけないですが、猫は色を変えるだけでバージョンを出しやすい。さらに犬の飼い主さんは基本、『愛犬と同じ犬種が好き』で、ミニチュアダックスを飼っている人はシーズーには興味がない。でも猫の飼い主さんはよその猫も好きなんです」

 さらに深い分析も。

「猫好きにはオタク気質の方が多い気がするんです。フィギュア好きやコレクターの傾向があり、カプセルトイと親和性が高い。犬の飼い主さんはどちらかというと服やオシャレに興味がいきがちで、おもちゃにはあまり興味がない人が多い印象です」

 シリーズは今後も第7弾、8弾と続いていく予定。第7弾はゴージャスな光沢のあるパールカラーの猫が登場するという。

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