パソコンに向かっていても突然、眠気が襲ってくることもある
パソコンに向かっていても突然、眠気が襲ってくることもある
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エプワース眠気評価尺度日本語版(JESS) (週刊朝日 2019年2月1日号より)
エプワース眠気評価尺度日本語版(JESS) (週刊朝日 2019年2月1日号より)
日中に眠気を感じた人の割合 (週刊朝日 2019年2月1日号より)
日中に眠気を感じた人の割合 (週刊朝日 2019年2月1日号より)

 ランチを終えた昼下がりに突然襲ってくる睡魔。パソコンに向かってもミスが続く。何とかしたいと思っている人は少なくない。実は、昼間の眠気には病気が隠れていることもある。解消法や注意点を紹介しよう。

【昼間の眠気は病気のサイン?簡単チェック表はこちら】

 都内で午後の電車内を見渡すと、座席でこっくりこっくりと舟をこぐ人の姿が目立つ。かくいう記者も座ったら同じように居眠りをしてしまう。

 2015年の国民健康・栄養調査によると、睡眠時間が6時間未満の男性の44.5%、6時間以上の29.3%が、「日中に眠気を感じた」と答えている。女性はそれぞれ48.7%、32.4%。男女とも昼間に眠気を感じる人は多いのだ。睡眠総合ケアクリニック代々木(東京都渋谷区)の井上雄一・理事長はこう話す。

「昼間の眠気には体内時計が関係していると言われています。午後に一度、眠気が強まるのは、生理的な現象なのです」

 ただ、睡眠不足はやはり眠気の要因になる。茨城県つくば市にある筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史・機構長は、「夜にしっかり睡眠をとれば、昼間に眠くなることはありません」。

 成人に必要な睡眠時間は7時間程度と言われている。国民健康・栄養調査では6~7時間睡眠の人の割合がもっとも多い一方で、6時間未満の人が10年前に比べ増えているという。

「問題は、本人が睡眠不足を自覚していないこと。例えば、通勤時間が片道1時間長くなると、睡眠時間が平均で1時間減ることが研究でわかっています。『通勤電車の中で寝るから大丈夫』と考えている人もいるようですが、まどろんでいるだけで、睡眠不足は解消できないのです」(柳沢さん)

 個人によって適正な睡眠時間は違う。睡眠がしっかりとれているかどうかを見分けるポイントは、「休日の睡眠時間」だという。

「仕事や学校がある日と、休日の睡眠時間の差が2時間以上あったら、睡眠不足の可能性が高い」(同)

 ライフスタイルの面から睡眠障害を考える、すなおクリニック(さいたま市)の内田直・院長は、昼間の強い眠気を訴える患者に、8時間睡眠を2週間継続するプログラムを実践してもらっている。

「職場や家族の協力が必要ですが、例えば午後10時から午前6時まではベッドにいてもらいます。このプログラムにより十分に睡眠がとれたことで、昼間の眠気がなくなったという人もいます。わかりにくい睡眠不足が、はっきりと自覚できます」(内田さん)

 忙しい人は、今年のゴールデンウィークの10連休で試してみてはどうだろうか。

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