1月7日に発表された、FAで巨人に移籍した丸佳浩外野手(29)の人的補償で長野久義外野手(34)が広島に移籍する、というニュースは関係者に衝撃を与えた。長野は看板選手というだけでなく、ドラフトで2度、他球団の指名を断って巨人に入ったという経緯の、原辰徳監督の言う“ジャイアンツ愛”の権化のような存在だったからだ。
「長野だけじゃなく一足先に炭谷(銀仁朗)の人的補償で西武に移籍した内海(哲也)もドラフトで他球団の指名を断って社会人経由で巨人に入団。内海も長野も他の選手たちに信頼されてましたから、チーム内には『ふざけるな』って雰囲気が漂ってます」(ベテラン記者)
ところが原監督は翌日、「勝負の世界は足し算ばかりではない」と発言し、どこ吹く風。おまけに「いいように考えると平均年齢は下がった。若い選手にチャンスが生まれた」と、ファン感情も選手の気持ちも無視するような無神経な言葉を重ねていた。
今回の件でよくわかったのは、原巨人で生き残るためには“ジャイアンツ愛”ではなく“原愛”が必要らしいということ。スポーツ紙デスクが語る。
「原さんは自分を慕ってくる奴はかわいがり、そうじゃないと排除。長野は気配り男で全方位に気を使うので、監督からすれば自分に忠誠を尽くすタイプじゃない、と思っていたはず。内海は入団時の堀内恒夫監督を恩人だと公言していて、WBC後に勝てなかったとき、原監督から『ニセ侍』とののしられてました。原シンパじゃなかった2人がプロテクトされていなかった、ってことなんです」