森山大道の写真展「MONOCHROME+COLOR」が、中京大学名古屋キャンパスのアートギャラリー、C・スクエアで開催される。森山が昨年刊行した2冊の写真集『モノクローム』『カラー』から作家自身がセレクトした87点が展示される。
森山といえばハイコントラストのモノクローム写真のイメージが強いが、2008年ごろからデジタル撮るカラー写真での本格的な作品づくりもはじめている。ふたつのシリーズはともに、2008年から2012年にかけて東京の街を撮影したものだ。
森山は次のようにいう。
「写すぼくの実感として、モノクローム写真には、多分に世界を象徴化し抽象化する感じがあり、カラー写真には、どこか外界を世俗化し風俗化する趣がある」
どちらも森山の日常にある、街や路上をスナップショットでとらえているが、カラー写真の方はストレートな描写と印象に残る。緻密なプリント作業を経た上で生み出されたモノクローム写真との鮮やかな対比によって、森山写真に宿る強烈なダイナミズムが一層際立つようだ。
「カメラを手に、一見さりげなくなに気ない日常の時・空へと紛れ込んでいくと、ふっと、映る視界に無数の亀裂が生じていることに気付く。そして、それらスリットから透けて見えるのは、エタイの知れない異界の破片である。どうやら、日常とは、非日常の裏返しのような気がしてくる。つまり、ストリート・スナップとは、流れ往く現実の混沌のさ中から、異界の破片を掠め獲り、拾い集める行為に他ならない」(森山大道)
関連イベントとして、4月20日14時からアーティスト・トークが開催される。事前予約は不要で、聴講も無料。会場は中京大学名古屋キャンパス4号館412教室。
森山大道展
─MONOCHROME+COLOR─
開場:中京大学アートギャラリー C・スクエア
開催期間:2013年4月15日~5月11日
開館: 9時~17時 (入場無料)
休館日: 4月21日、27日~29日、5月3日~5日
住所:愛媛県名古屋市昭和区八事本町101-2(名古屋キャンパス4号館1階)
TEL: 052-835-5669
最寄り駅:名古屋市営地下鉄名城線・鶴舞線 八事駅
【関連リンク】
中京大学 アートギャラリーC・スクエア
http://www.chukyo-u.ac.jp/extension/gallery/