03年、宝島社が「30代女子」を掲げてファッション誌「InRed」を創刊、09年には「女子力」、10年には「女子会」が流行し、ともに新語・流行語大賞にノミネートされた。また、同じく10年には、宝島社が今度は「40代女子」を掲げて新雑誌「GLOW」を創刊、「アラフォーって呼ばないで。私たちは、40代女子です。」など「40代女子」が毎月、表紙を飾った。そして13年ごろから、今につながる女子の「インフレ現象」が始まる。「大人女子」に代表されるように、「○○女子」が世にあふれだしていった……。

 先の30歳代女性会社員によると、今では日常会話のキャッチボールの中で「女子」は自然に、そして頻繁に使われているという。

「私が焼き肉を食べたいと言えば『君は焼き肉女子なのね』と言われるし、仕事は営業ですと言えば『営業女子』、ビールが好きと言えば『ビール女子』という答えが返ってきます。とりあえず○○女子と言っておけば、会話が盛り上がる気がします。それに、個人的には『女子』と言われると、内心上機嫌になります(笑)」

「カープ女子」が流行したのは14年だが、「女子」はお金を生むビジネスツールにもなっている。運用知識など女性の金融リテラシーを高めるコミュニティー事業を展開している「きんゆう女子。」も、その一つ。運営会社の鈴木万梨子代表(32)は、こう言う。

「金融業界では女性のポジションがあるようでないんです。ただでさえ堅いイメージなので、女子の存在感で柔らかい雰囲気を醸し出そうと思って名前をつけました。女性たちの斬新な発想が、金融機関や女性向けの事業会社などのサービス向上につながれば良いと考えています」

(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2018年9月14日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?