「そんなこと一度もありません。まったく一度もありません」
──銀座は?
「それはもう当時のことだからね。衆議院宿舎で勉強していると、電話がかかってきて、『何を勉強なんかしてるんだよ、飲もうよ、飲もう』と言われて。そんな時代でしたよね。最近はあまり行かなくなりました。六本木なんてぜんぜん行ったこともない。酔わないから、行ってもそんなに面白くない。街で『あ、石破だ』と言われるようになって、あれこれありもしないことを言われ、とうとう、銀座に彼女がいるということにされて、もう懲りた」
──銀座のクラブの○○○ちゃんというのは彼女とは違うんですか。
「ほら、そういわれる。鳥取出身の女性でしたからね。違いますよ」
──米子市?
「そうです。どうしてるかなぁ。天地神明に誓って、指一本触れたこともないです。同郷人って親しみがある」
──石破さんと安倍首相の一騎討ちともなれば、身辺を洗われたりするようなこともあるのではないかと思います。
「どうぞ、なんでも。何か、他に聴いたことがありますか? ○○○さんの話くらいしか、出てこないんじゃないですか」
──逆風はかなり強そうですが。
「現職の総理を相手に戦うのですから、困難な戦いに決まっているでしょう」
──以前は総裁選と言えば何人も立候補がいました。
「そうですね。6年前は5人出馬したし、9年前も5人出ましたね」
──石破バッシングも起こり、自民党に多様性がなくなっているように見えます
「私は先輩議員から、保守というのは自分に厳しく、他者に寛容なものだと教わりました。多様性や寛容さは、保守の本質の一つです。保守政党である自民党こそが、多様で、寛容でなければならない」
──それがなぜ、こういう風になったのでしょうか。
「なぜかはわかりませんが、多様性を失った自民党はいつの日か、愛想つかされるでしょうね。そうなる前に、党員の皆さんと一緒に自民党のあり方を問い直さなければならないと思っているんです」