「毎年、機会があれば行っています。父は鳥取県知事や自治大臣を務めました。国会議員としての年数や役職では私のほうが上ということになるのでしょうが、一生かかっても父を超えることはできないと思っています。頭の良さも、他人への思いやりも、自分を律する厳しさも、そのすべてにおいて、一生かけても超えられない親を持った。村の人からは、村長だったおじいさんはもっと偉かったと聞きました。当時は任命されて村長になったから、財政が傾きかけた村に派遣されて、立て直したら次の村というふうな立派な人だった。私が生まれた時にはもう他界していたから、直接には知りません。父親の偉大さというのは死んでからよくわかる。亡くなって37年になりますが、超えられない親を持ったというのは幸せなことだと思う。父の教えはたった一つ。『人に迷惑をかけるな』。これだけ。そういう父だったから、自分は傲慢になりようがない。母の父は内務官僚で、徳島県知事の後、山形県知事になった人。母親自身、知事の家庭で育ったからすごく厳しかった。私が小学一年生の頃、鳥取県庁の秘書課の人が知事公舎に来ていた時に、偉そうな口を利いたということで、母が激怒した。何を言ったかは覚えていませんが、寒い日だったけど、一晩中入れてくれなかった。母は『お前が偉いわけじゃない。お父さんが知事だから、みんなお前に頭を下げるんだ。何を勘違いしているのか』と叱られました。怖かったね」


 
──お酒が強いそうですが、最近は控えているのですか。

「なるべく節制するようにしています」
 
──ひと晩で一升飲めるということを多少オーバーでしょうが、鳥取の地元の人からは聞きました。

「オーバーではないです。昔は飲みました。飲めますけど、強いから酔うことはあまりないんですよね」
 
──酒はストレス発散にはならないですか。

「ならないです」
 
──銀座とか六本木でも、ずいぶんと飲み歩いた時期があったようですが。

「六本木なんか行ってないよ」
 
──武勇伝もいくつかお聞きしました。

「銀座には飲みに行ってましたよ」
 
──六本木のクラブの帰りのエスカレーターでコップの水をかけられたということはありませんか。

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