2万6千人──。翌日に台風上陸が予想されていた7月27日、わずか30分間の「熱海名物」に集まった人数だ。一時期、観光業が落ち込んでいた熱海が今、若者も集まる人気スポットになっている。起爆剤となったのが通年開催の花火大会だ。
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熱海が活気を取り戻している。まさに「V字回復」の只中だ。
どん底は2011年。バブル期に年間440万人いた宿泊客数が250万人弱に落ち込み、多くの旅館が廃業した。しかし、15年には300万人に回復し、さらに勢いは増している。
16年には駅ビルをリニューアル、官民一体の施策が成功要因だが、「花火鑑賞がきっかけになり、リピーターが増えた。春夏秋冬、一年中楽しめるのも強み」(熱海温泉ホテル旅館協同組合)。
若い観光客も増えている。人気の熱海プリンの店に行列していた都内の女子大生は「熱海って、レトロでカワイイ。インスタ映えする」と言うが、熱海に来た理由は「もちろん花火見物!」。
文字通り、熱海復活の「火」をつけ、「花」開かせている。(文/本誌・鈴木裕也)
※週刊朝日 2018年8月17-24日合併号