西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「認知症と肥満との関係」。
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【ポイント】
(1)肥満診断法に使われるのがBMI
(2)中年・前期高齢者と後期高齢者でリスクが違う
(3)後期高齢者は肥満になってもかまわない
肥満を辞書でひくと、「こえふとること」(広辞苑)とあります。その通りですよね(笑)。でも、もう少し肥満について具体的に語るとしたら、脂肪過多症という言い方があります。つまり脂肪が多すぎて、こえふとってしまうというわけです。
ところがこの身体の脂肪量を簡単に測定する方法というのは、確立されていません。
そこで、西洋医学では便宜的な肥満診断法が使われます。身長と体重、脂肪量の関係を統計学的に割り出して、肥満度を求めるようにしているのです。
体重(kg)を身長(m)の二乗で割って数値を出します。この値はBMI(Body Mass Index)といわれるもので、肥満度の指標となります。BMIが25.0以上のときに肥満と判定されるのです。
私の場合、体重68キロ(若い時より5キロ減少)、身長157センチ(若い時より3センチ減少)なので、BMIは27.5ということになります。肥満ではありますが、わずかなオーバーです。チョイメタといわれる部類でしょうか。
さて、このBMIと認知症の関係が研究されているのです。結論から言えば、中年と前期高齢者については、肥満によって認知症のリスクが高まるが、後期高齢者については、逆にBMIが低いと認知症のリスクが高まるというのです。
中年とは40歳前後、前期高齢者は65歳から74歳までです。この年代で調査したところ、BMIが30.0以上の肥満者は認知症のリスクが74%高まり、BMIが25.0から29.9でも、35%リスクが上がるというのです。一方、後期高齢者の場合は、BMIが低いことが認知症につながるというのです。