森友・加計問題も解決の糸口さえ見つからない。籠池泰典・前森友学園理事長が「昭恵夫人から『良い土地ですから前に進めてください』とのお言葉を頂いた」と発言した14年4月の交渉記録を公表しなかった問題で、綻びが出た。財務省の太田充理財局長は、交渉記録について「作った記憶がある近畿財務局の職員はいる」と認めながら、結局発見できなかった。

 逢坂誠二衆院議員(立憲民主)がこう批判する。

「安倍首相と昭恵氏の不始末を財務省理財局に押しつけて、政治の側は誰も責任を取ろうとしない。動かぬ証拠が出ているにもかかわらず、強弁し続ければ問題をやり過ごすことができるなんてことが許されていいわけがない」

 自民党内でも、小泉進次郎・筆頭副幹事長が、森友・加計問題を調査する特別委員会を国会内に設置することを求めている。だが、前出・角谷氏はこう嘆く。

「小泉氏の提案にも、誰も反応しようとしません。散発的に石破(茂)氏や竹下(亘)氏ら幹部が政府の対応を批判しても、かき消されるだけで塊になっていかない。民主主義が崩れかけているときに、安倍さんの3選を容認するのかという議論が自民党内で湧き起こらないのは、深刻な事態です」

 安倍3選はもはや党内では既定路線のようだ。(本誌・亀井洋志、大塚淳史)

週刊朝日 2018年6月29日号