東大・安田講堂(c)朝日新聞社
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藤村優さん(東大医学部)
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安原大熙さん(東大文学部)
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角谷透子さん(東大教養学部)
角谷透子さん(東大教養学部)
坂本京也さん(京大工学部)
坂本京也さん(京大工学部)
久代桂大さん(京大経済学部)
久代桂大さん(京大経済学部)

 東大の推薦入試や京大の特色入試の狭き門を突破した“スーパー合格者”はどういった人たちなのか。コンテストやボランティアなどの実績や、将来進みたい分野などを聞いた。喜びの声をいち早く届けよう。

【写真】東大の推薦入試や京大の特色入試の狭き門を突破した“スーパー合格者たち”

「脳科学オリンピック日本代表」だったのは本郷(東京都)の藤村優(ゆう)さん。東大医学部に合格した。人を直接助けられる医師に漠然とした憧れがあった。脳科学の知識を競う大会のチラシが高校の廊下に貼られているのを目にして応募した。

「高3の5月に日本代表に決まり、8月に世界大会に出場した。その過程で、研究者が目を輝かせながら語る姿を見て、研究医になりたいと思うようになりました」

 日本大会はペーパーテストがメインだが、世界大会では実際の脳を用いた実習や模擬患者に対する診断なども行われた。

「30弱の国からそれぞれ1人が出場する世界大会に参加し、脳を研究したいという思いがより強くなりました。一つのことに集中し、突きつめる性格も、研究医に向いていると思います」

 特に関心があるのがアルツハイマー病だ。

「学際的にアプローチして、患者さんやその家族の生活の質を改善したいと思っています。推薦入試だと1年次から研究室に入ることが可能なので楽しみです」

 ラ・サール(鹿児島県)の安原大熙(だいき)さんは、東大文学部に進む。幼いころから絵本が大好きで、自分でも書いていたという。両親が読んでいる本を通じて文学に親しんだ。学校の授業がきっかけで、中3のころから文芸の創作活動を始めた。

「中3の国語の授業で紹介された短歌に感銘し、短歌を作り始めました。高1の授業で鑑賞した漢詩にも興味を持ち、ネットで調べた漢詩の会に入った。毎月、添削指導を受けました」

 文芸部の部長を務めた安原さんは、高1の秋に「諸橋轍次博士記念漢詩大会」で賞を取った。高2の秋には「九州高等学校文化連盟文芸大会短歌部門」で最優秀賞を受賞し、推薦入試を考えるようになったという。

 1年かけて、提出する8千字の論文を書いた。タイトルは「日本漢詩壇の隘路(あいろ)と活路─漢文脈と現代日本の狭間にて」。高3の4月からはSNSで漢詩文学の研究成果を発表し、討論もしてきた。

「SNSでの討論が、結果として面接対策になりました。入学したら、あまり研究が進んでいない『昭和・平成時代における日本の漢詩文学史』などに取り組み、漢詩創作文化を再興したい。研究しながら、創作活動も続けたいですね」

 東大教養学部に合格したのは、渋谷教育学園渋谷(東京都)の角谷透子(すみやとうこ)さん。5歳から11歳まで米国で過ごした角谷さんは、在米中に英検1級を取得。2014年に国連英検特A級を取り、17年はTOEFLiBTで満点(120点)を実現した。中高は英語ディベート部で活動した。

「ずっと米国に戻りたいという思いがありました。向こうの大学入試は点数だけではなく、さまざまな活動歴やエッセー、インタビューなどで評価してくれるところに、魅力を感じていました」

 日本の大学への進学を考えるきっかけになったのが、高1になる前の春休みに体験した震災ボランティアだ。仙台市出身のフィギュアスケート羽生結弦選手が「東北はいいところだから来てほしい」と言っているのを聞いて、宮城県南三陸町を訪れたという。

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