妻:うん。今でもトラウマで、思い出すだけで吐きそうだけど……。
――深刻なストーカー被害。そのとき、夫は…
妻:結婚はキャンセルしたものの、会社は丸5年で退職すると決めてました。私、大企業で編集をやるより、現場のフリーライターになりたかったんです。
夫:派遣も経験したと言ってたね。
妻:そうなの。仕事を辞めてニューヨークに行くまではゆるゆるしようと思ってたけど、いざ会社を辞めてみたら、じっとしてられなくて。退職して数カ月で、思わず「とらばーゆ」を買っちゃった(笑)。
夫:その後、フリーライターになって、大変な目に遭わされたよね。
妻:そう。いわゆる「ストーカー」です。当時はまだ、日本でその言葉がメジャーになっていなかったけど、「ニューヨークで話題になっている」と、言葉だけは知っていた。
夫:前の、出版社時代の上司が教えてくれたんだよね。
妻:でもまさか、自分がそんな目に遭うとは思わなくて。
夫:僕は関西ですから、話を聞くことしかできない。彼女は一人暮らしでしたから、余計に心配でした。