■助けてほしい今の状態から救い出して
妻:これは本人にもそのとき言いましたが、付き合いませんか、みたいな話になったとき、私は離婚を巡るあれこれですごくダメージを受けていたので、今の状態から救い出してくれるのであれば、半年後に私を見捨てていなくなってもいい、とにかく今いっしょにいてくれれば救われる、という気持ちでした。
夫:そこから結婚まで半年ぐらいですね。
妻:私は以前は結婚に対して否定的だったんですが、だんだんその否定する気持ちはなくなっていきました。
夫:結婚しませんかと言ったのは、勘ですね。僕は物事を理詰めで考えるタイプじゃないんですよ。その勘は当たったと思っています。二人で話していて、僕は一回も退屈したことがないんです。お互い余計なことは言わないし、とくに面白い話題がなくても、話しているうちに面白くなっていく。
妻:楽しいですよ。私の場合は人生の優先順位があって、外で飲むのが好きなことと、自分の仕事をすごく大事にしていること。そこがすごく合っているんだと思います。
――二人で週に1、2回は外に飲みに行く。二人で訪れた店をそれぞれがエッセーにつづった共著、『もう一杯だけ飲んで帰ろう。』が先月発売された。