妻:お酒を飲まないと、二人ともあまり人と話さないんですよね。無口だし、私は常に緊張しているので、飲まないと心を開かない。

夫:僕は和食系でモヤシとか豆腐とか、白くて生命力のなさそうなものが好きなんです。フレンチのパテとか、よく知らない味のものはあまり食べたくない。うちのネコのトトも、僕と同じなんですよ。最初に食べた銘柄のドライフードしか絶対に食べない。

妻:トトは10年に漫画家の西原理恵子さんのところで生まれて、3カ月後にうちに来ました。私はネコを飼うのは初めて。存在感が非常に大きくて、ペットというより人間の頭数に入っている感じがします。

夫:僕は20歳ぐらいまで、ずっとネコを飼っていました。トトは今まで見てきたネコの中でもいちばん表情があるし、やっぱり人みたい。お正月生まれなので、年が明けたら8歳です。

妻:トトがいるから5日以上の出張は入れないようにしてる。お互い仕事を重視するので、もしトトがいなかったら家に帰る回数が減って、すさんだ感じになっていたかもしれない。ハッと気づいたら、何で私たち夫婦なの?となっていたかも、とまで考えます。

夫:おっしゃる通り。僕は仕事上、仕方がないところがあるとはいえ、やはり3カ月帰ってこないのは異常。もう少しスピードを上げて、家にいる時間を増やしたいと思っています。二人で飲みに行くのは楽しいし、家でちょっと怖い映画のDVDを見て、総括しながら飲むのがまた楽しい。

妻:トトには長生きしてほしい。頭数は確実に減るけど、できるだけ先のほうがいいなと思っています。

(聞き手・仲宇佐ゆり)

週刊朝日 2017年12月29日号より抜粋

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