夫はロックバンド「GOING UNDER GROUND」の元ドラマーで、現在はドラマや演劇に音楽をつける劇伴に打ち込むミュージシャンの河野丈洋さん。妻は『対岸の彼女』『八日目の蝉』などで知られる直木賞作家の角田光代さん。外で飲むことが好き。という二人。そんな夫婦にとって飼い猫トトはペットを超えた存在なのだとか。二人と一匹が織りなす生活、そして馴れ初めとは?
※「角田光代の夫はまるで『イリオモテヤマネコ』 妻でも遭遇できない?」よりつづく
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――もともと飲み友達だった二人は2009年に結婚。初めて会ったのは妻の以前の仕事場で、作家同士で開いた飲み会に夫が参加したのがきっかけだった。
夫:作家の中村航さんと知り合ってすぐに、「作家が集まる飲み会があるからおいでよ」と誘われて、行ったのが……。
妻:丈くんが25歳だったから、03年か04年。
夫:初めて会ったときは面白い人だなと思いました。まだ角ちんは前の結婚をしていて、僕も付き合っている子がいたので、特別なことは何もないんですけど、目がすごいなと。僕が遅れて行ったら、仕事場の外まで迎えに来てくれて、「みんなでごはん食べちゃったんだけど、おなか空いている? ピザとる?」と大きな目で心配してくれました。最初の印象は強かったですね。
妻:肉が好きじゃなくて白身の魚が好きだと言うので、覇気のない若者だなと(笑)。そのとき、中村航、長嶋有、島本理生、栗田有起、河野丈洋、私の6人で互助会をつくりました。みんなフリーランスで働いているので、病気をしたときに見舞い金を包むとか、賞にノミネートされて落ちたら、みんなでおごるとか。