丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日大で活躍、アマ37冠で92年にプロ入り。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制している
丸山茂樹は、横綱日馬富士の暴行問題をどう見た?
プロゴルファーの丸山茂樹氏が、松山英樹選手のホールインワン、角界の暴行事件について語った。
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国内男子ツアーの「ダンロップフェニックストーナメント」(11月16~19日、宮崎・フェニックスCC)は、27歳のブルックス・ケプカ(アメリカ)が圧巻の2連覇でした。2位に9打差と、尋常じゃない強さでしたよね。
コースマネジメントに徹することができるってのが、彼のえらいところ。最近の飛ばし屋には何でもかんでもドライバーでガンガンいく選手が多い中で、今回もケプカはドライバーをあんまり持たなかった。狭いフェニックスでの戦い方を優先して、勝ちにいくゴルフを貫きました。普通は「日本に来たからドライバー見せてやれ」みたいな感じでガンガンいっちゃうんですけどね。アプローチもパターも非常にクオリティーが高いです。
通算10アンダーの5位だった松山英樹(25)は、最終日の3番でホールインワンを決めました。試合では初めてで、相当うれしかったみたいです。
次の日にテレビ番組の収録で会ったら、余韻冷めやらずといった感じで、そのときの様子を話してくれました。
最近は島根、福井、石川と、立て続けに講演のお仕事をいただきました。だいたいどこも90分話すんですけど、島根なら「初上陸しました」で入ったり、福井なら「昨日はカニをいただきました」なんてね。そこからゴルフの話や僕の人生の話に入っていきます。金沢は片山津という名門コースが60周年だったので、その歴史について。そこは戸張捷(しょう)さん(72)と一緒だったんです。二人で話をして、非常に盛り上がりましたね。
僕は一人で呼ばれた講演の場合でも、聞き手をつけてもらうんです。自分で話すのもいいんですけど、間延びしないようにするのが難しい。ある程度で切り上げて、次の話を振ってもらえるとうまくいくんです。でも打ち合わせはごく簡単にしかしません。あれを話して、これを話してってやってると、絶対話さなきゃいけない気になっちゃう。
さて、大相撲では横綱日馬富士(33)の暴行問題が発覚して、大きな騒ぎになってます。日本のスポーツ界では、かつては指導者が選手を殴るなんてこともありましたし、先輩後輩の間でも、僕も大学時代にいまなら問題になりそうなことも経験しました。でも、もうそんな時代じゃない。大相撲だろうが何だろうが、暴力はもう絶対にダメですからね。
今回の問題ではいろんな話が飛び交ってて、何が真実なのかよく分からないですけど、あんまり毎日毎日この事件を報道しないでほしいって思っちゃいます。確かに世間の関心のある事件なんですけど、報道するたびに大げさになっていっちゃう気がして。個人的には、日馬富士もそこまで悪意があってやったとは思えないんですけどね。
相撲もいろいろあってお客さんが離れたときもありましたけど、今年なんか一年中大入り満員ですからね。人気が復活したところで、相撲協会にとっては大打撃でしょう。何とかいい方向に解決してほしいですね。
※週刊朝日 2017年12月8日号
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