妻:そう! この人、酔っぱらって真っ赤な顔で収録に現れたんですよ! それも手術のシーンなのに。
夫:ふらふらで、立ち位置に立てないの。
妻:スタッフさんたちは彼の性分を知ってるから「しょうがねえなー」「これじゃ、アップは撮れないぞ」なんて、笑ってくれたけど……。
夫:結局その日は撮影中止。
妻:私はそれが許せなくて。
夫:仕事を何だと思ってるんですかっ!ってね。メイクルームで烈火のごとくですよ。
妻:別にほっといたってよかったんでしょうけど……なんでだか、ムキになれる相手だったんですよね。
夫:でも、一緒に仕事をしたり彼女の舞台を見たりするうちに、どんなことにも全身全霊、すごい人だなあと。同業者として尊敬するようになりましたね。
――「何でも話せる人」から必要な存在へ…