小諸そば
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値段や店の雰囲気、デザインなどを分析し、業界での「立ち位置」を示したチャート(週刊朝日 2017年11月3日号より)
値段や店の雰囲気、デザインなどを分析し、業界での「立ち位置」を示したチャート(週刊朝日 2017年11月3日号より)

 早い、安い、うまいで支持を広げていた立ち食いそば。近年はさらに「快適」も加わり、4拍子そろった店も多い。今回は大手チェーンを含め、都内で食べられる25を厳選しました。コスパが高いところから高級店まで幅広いので、足を運んでみてください。

【写真】各立ち食いそば店の業界での「立ち位置」を分析

「かつてのイメージとは違う、女子でも気軽に入りやすいお店が増えています。味も快適さも進化しているんです」

 喜びながら話すのは、1日3食そばという日もあり、時には自分で打つこともあるイラストライターのイトウエルマさん。店を巡って立ち食いそばの奥深さを紹介した『立ちそばガール!』(講談社)という著書もある。

 そんなイトウさんも、数年前までは、立ち食いそばに「ぶっきらぼうで、みんな急いでいる」といったイメージを、なんとなく抱いていた。

 その考えを打ち砕いたのが、渋谷にある「蕎麦 冷麦 嵯峨谷」。

「きれいな民芸調のお店で椅子席もある。店頭では石臼が回り粉をひいている。打ちたて、ゆでたての十割そばが、もりそばだと320円で食べられる。私にとっては、名人の打つそばだと勘違いするようなレベルでした」(イトウさん)

「立ち食い」とはいっても、嵯峨谷のように現在は多くの店が椅子席も設けている。一般の高級店のように、麺が自家製で、天ぷらは注文を受けてから揚げるところも目立つ。値段はほとんどがワンコイン程度。

 夜は天ぷらなどをつまみに、ちょい飲みできるところもある。

 今東京のあちこちで、こうした立ち食いそば店が、しのぎを削る時代に突入しているのだ。

 イトウさんはそば店の状況を、三つの世界に分類する。1.いわゆる老舗の名店などのグルメおそば世界、2.カツ丼があったり出前をしてくれたりする街のおそば世界、3.立ちそば世界。

「これまでは、三つがはっきり区分された関係でした。現在はグルメおそばのこだわりと、街のおそばの快適さという両方の良さを、立ちそばが吸収して進化している。立ちそばは安っぽいものではない。ぜひ、曇りのない目で見てほしい」

 イトウさんに店を判断するポイントを教えてもらった。

「やっぱりまず、『もりそばがおいしいといいな』というのがあります。天ぷらなどの種物も好きですが、そばとつゆをおいしく引き立ててくれるものであってほしい。男性に好まれるボリューム感も重要ですね。大手チェーンには、万人を納得させるクオリティーがあります」

 イトウさんが選んだオススメが文末の一覧だ。そばやだし、天ぷらの特徴などを短くまとめている。店舗のデータは公式サイトなどをもとに、編集部で作成した。営業時間や休業日はそれぞれ異なるので、ネットなどで確認してほしい。

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