プロゴルファーの丸山茂樹氏が、将来性を感じる少年プレーヤーについて語る。

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 おかげさまで「第14回丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」(8月21日、千葉・平川CC)も無事に終えることができました。

 今回びっくりしたのが中学・高校生男子の部で優勝した中学2年の小林大河君(14)です。7バーディー、1ボギーの66で回っちゃうんですから。ラウンドしたあとにパターを教えてくださいって来たので、少しレッスンしました。

 そしたらパッティングはまだまだ雑で、球がそろってなかった。それじゃ将来的に通じないって話をしました。それでも66で回ってるんですから、末恐ろしいです。小林君はプロツアー「フジサンケイクラシック」(8月31日~9月3日、山梨・富士桜CC)のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)の出場権を獲得しました。全力で本戦出場権ゲットに挑戦してほしいです。

 4年目を迎えた国内男子のツアー外競技「ネスレマッチプレーレクサス杯」(8月17~20日、北海道・恵庭CC)に、今年もアンバサダーとして参加してきました。今年は往年の名プレーヤーであるトム・ワトソン(67)もグローバルアンバサダーとして参加され、出場した32選手に向けて約1時間の講演をされました。なんといってもワトソンですから、選手たちも喜んでましたね。

 
 こういうとき、ワトソンは尊敬するジャック・ニクラウス(77)のエピソードを話して、そこから選手たちに伝えたいことに持っていきますね。今回印象的だったのは、やっぱりいい選手はコースの情報をしっかりとってから試合に臨んでいると。あとは、若い選手の故障が多いのはトレーニングのしすぎじゃないかと。自分は技術を身につけるために300球、400球打っていく中で、それがトレーニングになったというんですね。ムダなトレーニングはしなかったそうです。確かに最近は、あまりにも筋力トレーニングに偏りすぎてる気がしますね。

 試合では藤本佳則(27)が優勝して賞金1億円を手にしました。ツアー外とはいえ、賞金額としては国内最高です。こういうチャンスを与えてくれたネスレさんの器の大きさって、すごいですよね。ネスレさんがツアーとは違う目線で我々選手に熱いエールを送ってくれてるというのは、非常にありがたい。今回はワトソンを呼んだし、毎回トーナメントのクオリティーも上がってますね。

 少し前の話になっちゃいますけど、男子の海外メジャー最終戦となる「全米プロ選手権」(8月10~13日、米ノースカロライナ州シャーロットのクエイルホローC)で、松山英樹(25)は5位でした。最終日はトップに1打差の2位でスタートして、10番では単独トップに立ちました。しかし11番から3連続ボギー。得意のサンデーバックナインでスコアを落としました。

 これはもう、ちょっとした歯車のかみ合わせがうまくいかなかっただけ。何も悲観することなく、次の試合に向けて頑張ってもらいたいなと。メジャーに勝つには運も必要。そこだけですよ。この試合後に結婚と第1子の誕生を発表しました。張り切る理由ができましたよね。日本勢初の米PGAツアー年間王者へ、もうひと頑張りを期待します。

週刊朝日 017年9月8日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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