大崎周辺は再開発も進む。オフィス・商業施設・住宅の複合施設「パークシティ大崎」が15年に完成。16年には、成田空港や羽田空港へのバスも走りだした。大崎・品川エリアは大きく変貌している。
急成長する西の玄関口が品川なら、北東部の玄関口は“アキバ”。かつて電気街、今はオタクの街として知られるが、乗車人員も増加。JR秋葉原は10年前から23%も増えた。秋葉原と埼玉・千葉・茨城とを結ぶつくばエクスプレス(TX)が、05年に開業した影響だ。
秋葉原と同様に、TXとの乗り換えができるJR北千住も急成長。10年前から22%も増え、高い伸びを示している。
TXは、私鉄駅の人の流れも大きく変えた。
TXと乗り換えられる東武野田線の流山おおたかの森は、乗降客が前年比3.8%増。野田線沿線から都心に向かう際、かつてはJR常磐線の柏で乗り換えたが、今はTXも使える。
流山おおたかの森は、リクルートグループの「SUUMO住みたい街(駅)ランキング2017関東版」で、これから人気が出そうな郊外の街5位。前年の9位から上がった。子育て世代が急増しており、流山市(千葉県)が小学校新設に踏み切るほどだ。
同じランキングの1位は、前年と同じく武蔵小杉。JR武蔵小杉は前年比3%増、東急東横線の武蔵小杉は同2.2%増。人気は駅の勢いに表れている。
駅前に降り立つと、目に付くのは林立するタワーマンション。事業者の住友不動産は「若いファミリー層に人気だが、平坦な地域のためシニア層にも受け入れられている」という。「ららテラス武蔵小杉」「グランツリー武蔵小杉」などの大型商業施設も人気。駅のある川崎市中原区の人口は年々増えている。
「JR武蔵小杉は、かつて南武線の駅でしたが、10年3月に横須賀線の駅も新たにできました。東急も含めて乗り換えしやすい駅となり、利便性が大きく高まりました」(梅原さん)
JR武蔵小杉の乗車人員は、横須賀線開通前に7.7万人だったが、16年度は12.8万人に増えた。