これらの四つのポイントを押さえた自己効力感を強くする試みは、病気の治療や教育の現場で徐々に始まっているという。

「うつ病や不安症などメンタルの病気の治療に限らず、糖尿病などの生活習慣病の生活指導などでも実施されています。自己効力感を高めることで、憂うつや不安の改善、健康行動(薬を忘れずに飲む、食事指導を守るなど、健康を維持するための行動を自らとること)の改善などが、研究で示されています」(坂野さん)

≪一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)≫一部抜粋
■第1因子 行動の積極性
ひっこみじあんなほうだと思う  はい【いいえ】
積極的に活動するのは、苦手なほうである  はい【いいえ】
何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである  【はい】 いいえ
何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである  【はい】 いいえ

■第2因子 失敗に対する不安
仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い  はい 【いいえ】
小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである  はい 【いいえ】

■第3因子 能力の社会的位置づけ
友人より優れた能力がある  【はい】 いいえ
人より記憶力がよいほうである  【はい】 いいえ

あてはまるものを「はい」、あてはまらないものを「いいえ」で答えてください
【 】で括られた「はい」の数と「いいえ」の数を足します
合計点が高いほどセルフ・エフィカシーが高いという評価になります(本来は16点が満点のため、これだけでは正しい評価はできません)
※こころネット「GSES 一般性セルフ・エフィカシー(自己効力感)尺度」から一部引用

週刊朝日 2017年6月16日号