三つめは、私立から公立に転換した大学の人気が高かったこと。公立化すれば、受験生は学費が安くなる。
16年度から移行した福知山公立大(京都)と山陽小野田市立山口東京理科大(山口)は、一般入試の倍率がともに10倍を超えた。公立大平均の6.4倍を大きく上回る。17年度には長野大が移行し、18年度から諏訪東京理科大(長野)も予定するなど、公立化の動きは今後さらに広がる。
全国の国公立大の合格者数上位校で目立つのは、公立高校の躍進だ。
東大の合格者数は、旭丘(愛知)が前年の23人から37人に増えた。横浜翠嵐(神奈川)も、20人から34人に伸びた。
京大の合格者数は、膳所(ぜぜ・滋賀)が前年の48人から66人に急増した。同校によると、記録がある過去20年ほどで最多という。68人でトップの洛南(京都)に次いで多く、東大寺学園(奈良)と並ぶ2位。中高一貫の私立進学校と肩を並べる結果になった。
膳所は、科学技術人材を育成するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、特色ある教育で知られる。進路指導担当の牧雅人教諭は「本校は京大志望者が多く、17年度は目標をあきらめずに初志貫徹の生徒が多かった。現役合格が増えるとともに、過年度生の合格者も前年より大きく伸びた。私立の中高一貫校に対する、もう一つの選択肢としてみられる存在になりたい」と話す。
※週刊朝日 2017年6月9日号