<雑木盆栽>


松柏盆栽以外の樹種が雑木盆栽で、季節ごとに姿を変えるのが特徴である。青葉から紅葉へと葉の色が変わるモミジやカエデが代表で、「花もの盆栽」や「実もの盆栽」もある。

【立ち上がり】
盆栽の見どころの一つが、根元から最初の枝までの立ち上がりと言われる幹。ここから枝が上や左右に広がり、大木を感じさせる迫力のある部分である。幹の肌は樹木ごとに異なり、趣がある。

【根張り】
土の表面に現れる根の状態。大地をしっかりつかむ根の張り具合に、樹木の生命力が現れている。根の上部がひとかたまりになった盤根(ばんこん)は、モミジやブナなどに見られ、見どころの一つである。

【シャリ】
樹齢が長い盆栽では幹や枝が枯れて、そのままの形を残しつつ、木質部が白骨化することがある。その幹の部分をシャリ(舎利)と呼ぶ。主に松柏盆栽にみられ、手を入れることでより美しくなる。

【ジン】
シャリと同様に、枯れた枝の部分をジン(神)という。自然に枯れてできる場合もあるが、意図的につくりだすことも。ジンやシャリは長い樹齢という生と、朽ちて白骨化した死が共存する局面だ。

週刊朝日 2017年5月26日号

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