合格発表での胴上げ (c)朝日新聞社
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「メーダイ」といえば、首都圏では明治大、中京圏では名古屋大。「シンダイ」は関西だと神戸大で、長野だと信州大、新潟だと新潟大。大学受験など教育に関する意識は、地域性が強い。昨年9月16日号の「お金」、今年3月24日号の「食」に続く第3弾として、「受験」の県民性をお伝えする。

 東大・京大の合格者が最も輩出する地域はどこか。

 今春入試の合格者を高校のある都道府県別に集計すると、トップは東京都で計1298人。東大・京大の合格者全体の2割が、都内の高校出身者になる。経済だけでなく、両大学合格者の出身校も、東京一極集中が進んでいる。

 人口が最も多い東京のトップは自然なこと。そこで、卒業生数に対する東大・京大合格者の輩出率をみた。

 今春入試の合格者数で計算すると、トップは奈良県。県内の卒業生1千人あたり約22人が東大・京大に合格したことになる。3位の東京の約13人を大きく上回る。なぜ奈良なのか。

「奈良は難関大に多くの合格者を出す私立中高一貫校がある一方で、有力な地元大学がありません。さらに、大阪府や京都府へ通勤する“奈良府民”の家庭が多く、地元志向が弱い。東大や京大など、県外の難関大をめざす受験生が多い」

 こう話すのは、駿台教育研究所の石原賢一さんだ。

 奈良には、東大寺学園や西大和学園などの進学校がある。大阪・京都府内から通いやすく、近隣府県から優秀な生徒が集まる。国立の4年制大学は奈良女子大と奈良教育大のみ。地元大学への進学率は、全国で4番目に低い。

 最下位は和歌山県で、30年近く脱出できていない。県内が本拠の大学は和歌山大、県立医科大、高野山大の三つだけ。和歌山県庁は高校卒業生の県外流出に危機感を抱き、県立医大への薬学部新設や看護大学の誘致などに取り組む。

 地元進学率トップは、愛知県で7割超。海を隔てる北海道や沖縄より高い。交通至便な地なのに、なぜ県外に出る意識が薄いのか。

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