「隣の網地島には統一教会の拠点があり、勧誘された島民もいる。ここにも拠点を作ろうとしているのではないか。島民の多くが困惑し反対しています」

 一方、しまおこし隊を歓迎するのが、牡蠣養殖再生を軸に島民有志が2011年に立ち上げた一般社団法人・田代島にゃんこ共和国だ。WAQUAの建設予定地も同共和国理事が佐藤健雄氏に売却した。理事の一人が語る。

「しまおこし隊に統一教会の噂があることは知っているが、事業説明を受け、島の発展のためなら協力するという立場。反対しているのは震災後に移住してきた一部の島民だけですよ」

 現在しまおこし隊は不足資金257万円をクラウドファンディングで集め、ギャラリー併設の古民家カフェの改修に着工している。統一教会信者が行う資金集めの手法について、北海道大学大学院の櫻井義秀教授は、こう分析する。

「数年前にも、苫小牧で信者の作った地域おこしNPOが就農名目で寄付を募っていた。彼らの資金集めのパターンは一貫しており、クラウドファンディングの真の狙いは投資ビジネスのための個人情報の取得。NPOにしているのは補助金の受給目的もあるのではないか」

 海洋平和は昨年6月、都内で株主総会を開いたが、驚いたことに、そこで祝辞を述べたのは、元自衛官の「ヒゲの隊長」佐藤正久参議院議員だ。

 佐藤議員はWAQUAの概要説明が行われた同社の海洋セミナーでも数度講演しており、WAQUAのHPでは「しまおこし隊理事(佐藤健雄)の甥」と紹介されている。

 これらの情報を知った市民が、佐藤議員のSNSに対し回答を求めたところ、海洋平和のHPから株主総会での佐藤議員の写真などが削除された。

 入手した海洋平和の内部メールには「私たちの闘いは真の御父母様を中心とする摂理ビジネス」「教区長も参加」「国家復帰」「氏族メシア」などの教団用語とともに「いよいよWAQUA田代島プロジェクト発会式」「佐藤議員は日本の島防衛の担当者」「自衛隊を支えている特定の愛国者をつかんでいく」「日本の真の海洋再生(日本復帰)をめざし政府と一体化」と佐藤議員を招聘した意図が書かれていた。

 同議員は自民党の国防部会長代理を務めており、離島振興特別委員会の中心人物だ。

 また、海洋真時代社は今年2月、海上自衛隊出身の元防衛省特別機関幹部の講演会を主催している。

 しまおこし隊の広報が取材に応じた。

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