愛国小学校問題、トランプ、プーチン外交など最大の試練に直面している安倍政権。その政策に大きな影響を与えている日本最大の保守系右派組織「日本会議」の会長で、国際政治学者でもある田久保忠衛会長が渦中の森友学園の籠池泰典理事長、安倍晋三首相に対する思いを本誌に激白した。
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──森友学園問題で連日、国会などで疑惑が追及されています。
田久保:週刊文春が籠池泰典理事長は日本会議大阪代表を務めていると報じたが、日本会議大阪は千家敬麿(よしまろ)さんが議長。こんないわれもなく、問題が日本会議にあるように言われることに千家さんが怒りまくってました。実際、2011年1月に籠池理事長は退会届を提出している。もう関係は絶っている。理事長の奥さんは生長の家(信者)で、生長の家がらみの内紛に巻き込まれるのが私は嫌なんだ。日本会議を悪者にして、全部形容詞的に生長の家の田久保と付けるので迷惑だ。
──安倍首相の対米外交についてどう思いますか?
田久保:「米国第一主義」を唱えるトランプ大統領という不確定要素が出てきた。彼は何をするかわからない予測不能な危ない人物。米国の世論も二分され、妙な空気に米国が汚染されている。安倍さんが訪米し、大統領就任後の2月の日米首脳会談までの会談スケジュールの段取りなど技術的には良い外交が展開された。ただ、外務省らの役人の振り付けに乗っかっただけで、首脳会談の内容自体には成果はなかった。マスコミは首脳会談は良い会談だったと読むに堪えないベタベタのヨイショをしたが、いい加減にしてほしい。最大の問題は中国の存在だ。マスコミはトランプ氏は「親ロ反中」と論じるが、本当に中国を敵視しているのか疑問に思う。どういう分析で論じているんだと言いたい。
──確かに安倍首相訪米数時間前にトランプ氏は中国の習近平国家主席と長時間電話会談を行い、4月には米中首脳会談も予定されています。