合格者数ランキングの変遷を見ると、かつての有名進学校が実績を落としている例もある。しかし、高校の実力低下をただちに示すわけではなさそうだ。

 ラ・サール(鹿児島)は85年には東大合格者数で3位だったが、近年はランキング上位に入らない。一方で、16年の国公立大医学部医学科の合格者数では好成績だ。ラ・サールは84人と、開成(59人)や東大寺学園(53人)などよりも多い。

 背景には、「地元志向」の強まりがある。

「地方に住む優秀な理系の生徒は、東大・京大ではなく、地元の医学部に進学する傾向が強まっています。四国の名門校の愛光(愛媛)なども、医学部合格者が多い。洛南(京都)は、共学化して女子生徒を受け入れるようになってから、医学部志向が強くなりました」(前出の安田さん)

 合格者数上位校の結果が映すのは、進学校の変遷だけではない。教育制度の改革や経済状況、受験生や親の意識の変化など、数多くの要因が数字に反映される。次の時代を引っ張る高校はどこになるだろうか。

週刊朝日 2017年3月24日号より抜粋

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