
味覚の秋。街はおいしそうなドーナツであふれている。ミスタードーナツ(ミスド)など専門店に加え、最近はコンビニでもレジ横の目立つ場所で販売され、目にする機会が増えた。両者の違いはどこにあるのだろうか。
スイーツジャーナリストの平岩理緒さんはこう述べる。
「できたてかどうかは、ドーナツの味や食感を左右する重要な要素。ただ、食べ比べると、アイテムによっては区別がつきにくいほど拮抗しています」
平岩さんが「比較的差が少ないアイテム」として挙げたのは、定番のオールドファッションにチョコレートをかけたドーナツ。ミスドはもちろん、どのコンビニでもラインアップに入る人気商品だ。
そこで、記者はコンビニ各社とミスドのチョコがけのオールドファッションを買い集め、食べ比べてみた。
ずらりと並べると、まず見た目の印象がかなり違う。
最も感じるのはサイズ感の違いで、ファミマ(108円)が明らかに大きい。重さを量ると、いちばん小さいセブン(100円)が64グラムに対し、ファミマは85グラムと3割増しだ。
よく見ると、チョコの色もかなり違う。
ローソン(100円)が最も深い黒で、並べると他が茶色く見える。チョコの量はミスド(151円)とセブンが3分の1程度にかかるのに対し、ローソンとファミマはほぼ半分を覆っている。
食べ比べたところ、オールドファッションならではのさっくりとした食感は、セブンが若干強い印象。生地部分はローソンが最も甘く感じたが、チョコのかかった部分は、各社の差をほとんど感じない。強いて言うと、ミスドがチョコ部分のカカオ風味やほろ苦さが際立ち、ドーナツ部分の甘さが控えめ。味のメリハリを感じた。
ちなみにローソンのオールドファッションは本誌発売時にはビタータイプのチョコへの変更などリニューアルがなされたという。ミスドと近い味になったかもしれない。
いずれにしろ味の違いはわずかな差で、見た目ほど違わない。おそらく、見ないで食べて区別するのは相当難しいと感じるレベルだ。価格はミスドが頭ひとつ抜けて高額だが、たまたま108円セール中だったので実際はほぼ横並びだった。
しかし、ドーナツの種類によっては、専門店とコンビニで開きが大きいものもあるという。