「競馬に白鵬の持っている馬が出場し、朝青龍の馬に負けたそうで。そりゃ、熱くなって大変だったでしょうからね(笑)」(同前)
さらに9日目、白鵬は勢との対戦で不覚を取る。自らつまずいたような、不思議な負け方だった。
「土俵に右足の親指がめり込み、つんのめった感じ。土俵が軟らかくて足の指がめり込む光景はたまに見ますが、白鵬は通算で1千勝しようかという力士だから、あれはない。足の送りが悪くなるのは、稽古不足からだろうし、力の衰えを言われても仕方がない。情けない負け方でした。まあ、それで稀勢の里の綱取りの期待も膨らませたわけで(笑)」(前出のベテラン相撲記者)
翌日、稀勢の里が松鳳山戦で2敗目を喫すると、白鵬も12日目に照ノ富士に寄り切られて3敗目。あっけなく、自ら優勝争いから後退した。
「稀勢の里の綱取りの期待を膨らませたのも、つなげたのも、白鵬だったということです(笑)」(同前)
名古屋場所を千秋楽まで盛り上げたのは、白鵬のふがいなさ。これも横綱の“貫禄”なのか。(本誌・亀井洋志、松岡かすみ、太田サトル/岸本貞司)
※週刊朝日 2016年8月5日号