とはいえ、足の付け根を覆うなら毛糸のパンツでも良いのでは?
「毛糸のパンツは股に当て布がありますが、腹巻きは股がオープンなので足の付け根に空気の層ができますよね。これが体温キープのポイントなんです」(富永氏)
足の付け根に空気の層があると、大腿動脈から放出される熱がこもり、より温かく感じられるという。なるほど、ダウンコートが空気をはらんでいるから温かいのと同じ理屈か。
「薄い素材の腹巻きなら、春らしい服装の下に着けてもバレません。トイレで簡単に着脱できるのも、筒状の腹巻きならでは。屋外に出るときにサッと腹巻きを着けて、暖房の利いた屋内ではサッと脱ぐ、といった使い方もできます」(富永氏)
家ではズボンの上から腹巻きを着けてくつろぐのもいい。そのまま体操をすれば、なお体が温まるという。冷え対策に最適な体操の方法は、富永氏の著書『ヒップはらまき』(中央公論新社)に詳しい。「お尻までスッポリ覆える長さのものを選んでください」と富永氏。
(ライター 伊藤あゆみ)
※週刊朝日 2016年3月18日号より抜粋