次に阪神の事情──。

 金本監督は当初、「荷が重い」と固辞する方向だったとか。

「そりゃ、そうでしょう」

 と笑うのは虎番記者だ。

 外国人とベテランに頼るバランスの悪い戦力は巨人と同じ。このタイミングで監督になるのは“損”と考えるのが野球人。

「負けが込めばたたかれる人気球団。若手を使いながら育てていくのは大変。マスコミとうまく付き合う必要もあるが、彼は現役時代、気に入らないことがあると取材拒否をするほど、実は“気にしい”ですからね」(先の虎番記者)

 ただ、金本監督はドラフト当日の発言で一気に男を上げた。1位指名した明治大学の高山俊外野手への期待を語る中で、「僕と掛布(雅之・2軍監督)さんでしっかりやっていこうと思います」と宣言したのだ。

「球団のスターで、監督待望論もある掛布を2軍監督に推したのは金本。これで『なんで(次期監督が)岡田(彰布)じゃないんだ』と煩かったOB連中をだまらせ、ドラフトでの発言で『金本も、いいとこあるなあ』と言わしめた。なかなかの政治家です」(在阪記者)

 そして、DeNAのラミレス監督──。

 高田繁GMは「最下位からの優勝もあり得る。そのための監督を選んだ」と語ったが、集客力で選んだとしか思えない。

「中畑(清)前監督時代に観客動員数を伸ばした球団は今オフ、本拠地・横浜スタジアムを買収する計画で、それは収益性を高めるため。だからこそ、観客動員が伸びなければ困るはずですから」(スポーツ紙デスク)

 新監督3人のお手並みに注目したい。

週刊朝日 2015年11月6日号