いっぽう、
「ナポリタンは、消えていってもおかしくなかったのかもしれません」
と、阿古さんは言う。しかし、
「カフェブームの後に喫茶店ブームが起こって、昭和ブームもあった。そこでトーストやカレーとともに“喫茶店メニュー”として再発見されたんです。ゆだったやわらかいパスタとケチャップのキッチュな味が、逆に新鮮に感じられた」
ケチャップ味は、“憧れの味”から“懐かしい味”に変わった。ちなみにここ最近のナポリタン人気を支えているのは主に男性だそうだ。
「フワトロオムライスは、どちらかというと女性ですね。女性が新しい味、男性は懐かしい味のブームを起こす傾向がありますね」
新しさか懐かしさを刺激する。これが、チキンライスが売れっ子ケチャップ味料理の仲間入りをするカギなのかもしれない。できるのか?
(太田サトル)
※週刊朝日 2015年9月4日号
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