「好きな選手は、(レッドソックスの右の強打者)ハンリー・ラミレス。そのすごさは(打撃フォームをまねながら)やっぱ、これっしょ(笑)」
甲子園を制した東海大相模からは、高校日本代表でもエースを任される151キロ左腕・小笠原慎之介に加え、遊撃手・杉崎成輝、外野手の豊田寛が選ばれた。
笑顔も言葉数も少なく、常に禅僧のような表情で、甲子園期間中は「野球を楽しいと思ったことがない」と話していた小笠原は、日本一となって「楽しめました」と頬を緩めた。甲子園に続く夢舞台で、彼のさらなる笑顔が見られるかもしれない。
準優勝した仙台育英は140キロ台の直球と2種類のフォークを武器とする佐藤世那だけでなく、甲子園で3本塁打を放った遊撃手・平沢大河が選出された。プレーだけでなく、そのイケメンぶりには女性ファンの嬌声が轟くかもしれない。
また夏の甲子園に出場できなかった選手も5人選ばれた。中でも注目は県岐阜商の高橋純平だ。7月上旬に左足の肉離れを発症し、岐阜大会準決勝ではマウンドに立つことがないまま、ベンチで敗戦を迎えた。
ケガの状態は気になるものの、世代ナンバーワン投手と呼ばれてきた男にとってW杯は雪辱の舞台である。
準決勝で仙台育英に敗れたあと、涙に暮れながら、「絶対にまた、ここに戻ってきます」と清宮は話していた。敗戦からわずか2週間あまりで、はやくも聖地に再び立つチャンスが巡ってくる。日本で初開催されるW杯の決勝は、甲子園で行われるのである。
「がたいのいい外国人に負けたくない。一番にこだわらないとおもしろくない」
開幕は8月28日である。
前回大会で日本は決勝でアメリカに敗れ、初優勝はならなかった。前回同様、大阪桐蔭の西谷浩一監督が指揮を執る。球児たちの夏はまだまだ続き、高校日本代表初の世界一を目指す。
※週刊朝日 2015年9月4日号