このまま役所に任せ続けたら、「100年のレガシー(遺産)」である競技場が、巨額の赤字を垂れ流す「100年の負債」になってしまいかねません。これから考える競技場は思い切って「民営化」してはどうか。民間資金を活用するPFI方式を導入するのです。
今、国内には史上最高の経常利益を上げている企業がたくさんある。資金力のある企業から出資を募り、経営に参加させます。民間企業には役所にはない経営・運営能力がありますから、競技場周辺のショッピングセンターの整備なども一体で進めることで、五輪後も黒字を出し続けられる。国営と違って、メンテナンスも費用対効果を考えて適切に行うでしょう。民間の施設は古くならないんです。
計画白紙化は一つの決断でしたが、世界に「日本はすごい」と思わせるには、さらに一歩前へ進む必要がある。今こそ、政治のリーダーシップが問われます。
(本誌・一原知之、西岡千史、小泉耕平、古田真梨子、森下香枝)
※週刊朝日 2015年8月7日号