SL目当ての「撮り鉄」
SL目当ての「撮り鉄」

 その現場はどこにあるのだろうか。この“事件”を報道した各紙は、現場を特定するのに難儀した模様だ。正式な踏切ではないため、警告灯もなければ遮断桿もない。実際、読売新聞の記事は「樋口駅の東」とし、東京新聞では「樋口駅の西」とあった。そこで筆者が現場を訪ねてみると、読売新聞が指摘したとおぼしき場所に「渡り板」はなく、東京新聞が記述した場所にはあった。

 秩父鉄道運輸部に問い合わせたところ、「細かい場所は公表していません」としながらも、「樋口駅と(西隣の)野上駅の間」と教えてくれた。どうやら東京新聞が正しかったようだ。

 秩父鉄道は蒸気機関車「SLパレオエクスプレス」を運行していることでも有名だ。風光明媚な場所を大迫力のSLが駆け抜けるとあって、全国の“撮り鉄”たちを引き寄せる。その一人に話を聞くと、「ここは秩父署が重点的に巡回している場所で、山添議員だけではなく、過去に何人も検挙されている、いわば名所なんです」とのこと。

 山添議員はその後、21年9月30日付で不起訴処分になっているが、正規踏切外での鉄道横断は避けたいものだ。

週刊朝日  2023年1月6-13日合併号

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