受験生にとって、熱い夏休みが始まった。この夏、どのようなことに気をつけて勉強すればいいか。夏休みの過ごし方や勉強方法についてアドバイスを聞いた。
駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一氏は、夏休みの勉強について、こう話す。
「難しい問題を解きたいと思うかもしれませんが、まずは基本事項を確認することです。苦手科目の問題集は、解説が詳しいものを選んでください。公立高校では地歴の進度が心配ですから、夏休みに日本史や世界史の教科書を読書感覚で最後まで読みましょう。2学期からの授業の理解度がよくなります」
33年連続東大合格者数日本一の開成高校・柳沢幸雄校長、石原氏、緑鐵受験指導ゼミナール代表の和田秀樹氏の3人が異口同音にすすめるのが「早寝早起き」だ。
「生体リズムや心身の安定に関与するメラトニンや成長ホルモンなどの脳内物質は、22時から2時の間に多く出るため、遅くとも23時までには眠り、熟睡してほしい」(柳沢校長)
柳沢校長は、この夏休みにぜひとも習慣にしてほしいことがあるという。
「スマホやパソコンなどでLINEやゲームをするにしても、21時には必ずやめるということです。画面の光に含まれているブルーライトによってメラトニンの生成が抑制され、寝つきが悪くなり、熟睡できなくなるからです」
「早寝早起きのうち、早起きは絶対に守ってほしい。キリがいいところまで勉強を頑張って寝る時間が遅くなっても、朝はいつもと同じ時間に起きましょう。眠いときは昼寝をすればいい。生活のリズムを守ることが大切です。暑さで体調を崩しやすいため、睡眠はしっかりととってください」
石原氏は、スマホやパソコンなどにはまらないことも注意事項としてあげる。
「大学のことをネットで調べるときなどに、つい友達とLINEやツイッターでやりとりをしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。今の受験生にとって一番注意しなくてはならないことだと言えます。夏以降は自制心を持って、気をつけてほしいですね」
長い夏休みだからこそできる時間の使い方がある。柳沢校長はこう話す。
「1日に何時間勉強できるか、どのくらい集中力が続くか、夏休みの最初に試してみて、自分の体力や集中力の限界を知ることが大切です。たとえば、頑張って1日に15時間勉強したとします。そうすると疲れてしまい、翌日の能率が悪くなって、1週間単位でみるとあまり効果がない。毎日自分が無理なく頑張れる時間がどのくらいなのか、最初の1週間で試すといい」
柳沢校長は自らの高3の夏休みには1日11時間勉強を6日間続け、週に66時間勉強。1日は休養にあて、卓球をしてリフレッシュしたという。
※週刊朝日 2014年8月1日号より抜粋