AERA編集部
夫 鈴木宏治［45］グラウンド 代表取締役
すずき・こうじ◆1977年、大阪府生まれ。関西大学法学部卒。34歳で不動産業界に入り、2014年に株式会社グラウンドを設立。住宅の売買仲介業にwebマーケティングを組み合わせ、全国で家の売買を行っている
僕は34歳まで弁護士を目指して司法試験を受け続けていました。試験制度が変わったタイミングであきらめて就活するも全滅。「不動産業界なら法律を学んだ知識が生かせるのでは」とアドバイスされてこの世界に入りました。36歳で独立し、いまに至ります。
不動産業界の裏側は人気コミック『正直不動産』で知られるようになりましたが、僕も破産やローン地獄など家を買って人生が変わってしまった人を多く見てきた。うちの会社ではお客様にまず「なぜ家を買うのですか」「賃貸でよいのでは？」と聞くんです。買い手と売り手から手数料をもらう「両手」をせず、買い手から手数料をとらない「ゼロ仲介」もしています。業界を批判したいわけではなく、自分だったらこうしたい、をやっているだけなんです。
「なかなか家を売ってくれない不動産屋」と言われますが（笑）、家を買うことが幸せのすべてではないし、急がせずにゆっくり考えてもらいたい。僕らの家も賃貸ですし、それで幸せだと思っています。
（構成・中村千晶）
※AERA 2023年2月20日号
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